『在宅医療』は、本当に患者さんから必要とされていると感じます。

最近、在宅医療へのニーズが高まっています。

しみず薬局では介護保険が始まって2002年から本格的に在宅医療に取り組んできました。

在宅医療の良いところは患者さんとの距離がより近くなることと、

他職種と連携を取りながら一人の患者さんを支え合うところにやりがいを感じます。

在宅医療の現場における薬剤師の業務の流れを簡単に説明すると、

１）訪問依頼・指示

訪問薬剤管理指導には、医師の指示書が必要となります。その為、医師との信頼関係を構築することが

重要だと思います。医師に対して、飲みやすさや副作用などを考慮した処方薬の提案や薬の一包化等の提案、

粉砕する薬剤についての粉砕可否の情報提供等を行えることが必要になってきます。

２）処方箋の発行：処方箋を受付、調剤を行い指導計画書を作成

内服薬だけでなく、場合によっては注射剤や点滴類の無菌調製が必要とされる場合もありますが、

その場合はそのような施設を設置した薬局へ依頼し、しみず薬局では主に内服薬を中心に依頼を受けています。

３）自宅訪問：調剤した薬を届け、指導を行う

薬の説明、保管方法、残薬の確認、服用方法の検討、副作用チェック、併用薬、食べ物、サプリメントとの

相互作用など指導内容は多岐にわたります。また、医療材料や介護用品についての相談にも対応します。

４）報告：報告書を作成し、送付する

指導内容をまとめ、報告書を作成。医師やケアマネージャー等に情報をフィードバックし、

改善点等があれば一緒に対応策を考えます。

以上のように、一軒一軒患者さん宅を訪問しながら多い時には一日に５～６件、私が担当する患者さんだけでも

月に６０件以上訪問しています。訪問する中で薬が適切に服用・管理できているかどうかを確認することも

大事ですが、特に患者さんやその家族とコミュニケーションをとることが最も大事だと感じます。

薬剤師は、他職種と連携し、協力し合うことが必要だと思います。

管理薬剤師として、調剤薬局の運営や在宅医療を通じて感じるのは、薬剤師はもっと積極的に地域や

医療・介護の他職種（医師、看護師、ケアマネージャー、介護士、理学療法士、作業療法士等）と関わって

いった方がよいと思います。そして、情報交換を行い協力し合うことで、地域の人達が住み慣れた場所で

生活を続けていくことができるんだと思います。

しかしながら、店舗内で過ごすことの多い薬剤師は他職種と触れ合うことも少なく、連携するにはまだ

ほど遠いように感じています。そこでしみず薬局は様々な職種の方が集い、地域の住民の方々と

触れ合う場として薬局を開放することを考え、『認知症カフェ』として現在は地域の病院や介護施設と

協力し合い月１回開催するなどの試みを行っています。